ぶくぬき(忌服)

昔より不幸があった御家庭では「神社への参拝は避ける」と言う習わしがあります。

富士山の麓、富士吉田市などはこの風習が大変色濃く残っており、富士山の閉山祭(吉田の火祭り)期間、忌中の家は吉田の町を出る、家から一歩も出ない。など大事なお祭り事では大変気を遣うそうです。

忌服(ブク、ボク)とは何か?

諸説ありますので私の理解で書くことを先にお断りさせて頂きます。

古事記の中に出てくるイザナギ、イザナミのお話で御霊の抜けた人の亡骸は腐敗して穢れとされます。この事から故人に近しい家族や親戚(血縁関係あり)は穢れの繋がります。この状態で神様に御参りをすることは大変失礼な行為にあたります。本来神様に御参り、お願い事をする時は清浄な人でなければなりません。神社で御祈祷を受ける前に必ず「大麻(オオヌサ)紙のフサフサが付いた棒」でお祓い「修祓」を受けますが、この祓は私たちが日々知らず知らずとも犯す罪穢れを祓い、清浄な状態で神様に御参りする為の重要な儀式になります。

またこの他にも「不幸があってすぐは悲しみのあまり清浄な気持ちで参拝出来ない」「故人を偲び祝い事は慎む」などの理由もあります。

神道において、特に忌中の場合はこの穢れが強く、忌中でもやむ終えず神様に御近づきになる場合は一般のお祓い「修祓」とは別に「ぶくぬき祓」を受けてから御参り頂きます。

神道における忌中とは五十日祭(仏教の四十九日法要)までを指します。家や、地域の風習によっては一年間の場合もあります。

直近の御家族ですと少し話は別ですが、もしこの期間中に、結婚式に出席する、宮参りや七五三の予定が入っている、町内会の当番で氏神様の掃除に行くなどやむを得ない事情がある場合は「ぶくぬき祓」を致しますので御相談下さい。